Zurampic:痛風の新薬

FDAは本日、痛風goutに関連した高尿酸血症hyperuricemiaの治療薬としてZurampic(lesinurad)を承認しました。尿酸の生成production of uric acid を抑制する薬剤として承認されたキサンチン・オキシダーゼ阻害薬xanthine oxidase inhibitorとの併用投与で用いられます。痛風は体内における尿酸の大量生成によって生じる関節炎の一種です。尿酸は主に、血中で分解した後に腎臓を通過し、尿として体外へ排出されます。尿酸が血中で増加した状態が高尿酸血症です。体内で尿酸が増えすぎたために、腎臓で尿酸を十分に分解できなかったり、プリン体を多く含む食品を大量摂取した場合に生じます。
 
高尿酸血症を管理することが、痛風の長期治療で重要となります。Zurapicは痛風を発症する可能性のある多くの人々にとって新たな治療選択肢となるでしょう。
 
Zurampicは腎臓による尿酸排出を促進させます。腎臓における尿酸の再吸収に関連した輸送タンパク質transporter proteinの機能を阻害することでこの効果は発揮されます。
 
Zurampicの安全性と効果は、3件の無作為化プラセボ対照試験において、XOIとの併用で1537名の患者を対象に12ヶ月間追跡されました。XOIとZurampicの併用投与を受けた患者では、プラセボ群の場合に比べて血中尿酸値がより低下しました。
 
臨床試験で最も多く確認された副作用は頭痛、インフルエンザ、血中クレアチン増加、胃食道逆流症gastroesophageal reflux diseaseでした。
 
ZurampicはAstraZeneca Pharmaceuticals LPによって製造販売されます。
 

Glatiramerとは何か

What is glatiramer?
Glatiramerとは何か
 
Glatiramer is a combination of four amino acids (proteins) that affect the immune system.
Glatiramerは免疫系に影響を及ぼす4つのアミノ酸(タンパク質)の複合体です。
 
Glatiramer is used to treat multiple sclerosis (MS) and to prevent relapse of MS.
Glatiramerは多発性硬化症(MS)の治療と再発予防に使用されます。
 
Glatiramer will not cure MS, but it can make relapses occur less often.
GlatiramerはMSを治すものではありませんが、再発の発生率を低下させます。
 
Glatiramer may also be used for purposes not listed in this medication guide.
Glatiramerはこの投薬ガイドで示していない目的でも使用できる可能性がある。
 
What is the most important information I should know about glatiramer?
Glatiramerに関して知っておくべき最も重要な情報は何か?
 
Follow all directions on your medicine label and package. Tell each of your healthcare providers about all your medical conditions, allergies, and all medicines you use.
医薬品のラベルとパッケージに記載された全ての注意事項に従ってください。自身の健康状態、アレルギー、服用している医薬品を各医療従事者に報告しましょう。
 
What should I discuss with my healthcare provider before using glatiramer?
Glatiramer使用前には医療従事者と何を話し合うべきか?
 
You should not use this medication if you are allergic to glatiramer or to mannitol.
Glatiramerまたはmannitolに対するアレルギー反応を示す場合には、この医薬品を使用することはできません。
 
To make sure glatiramer is safe for you, tell your doctor about your other medical conditions.
Glatiramerが自身にとって安全であることを確かめるため、他の医学的な健康状態を医師に知らせます。
 
FDA pregnancy category B. Glatiramer is not expected to harm an unborn baby. Tell your doctor if you are pregnant or plan to become pregnant during treatment.
FDA妊娠カテゴリーB。Glatiramerは胎児に悪影響を及ぼさないとされています。妊娠または治療中に妊娠する予定がある場合にはそのことを医師に報告します。
 
It is not known whether glatiramer passes into breast milk or if it could harm a nursing baby. Tell your doctor if you are breast-feeding a baby.
Glatiramerが母乳に入り込んだり、授乳中の赤ちゃんに悪影響を及ぼすかどうかは明らかになっていません。乳児のお子さんがいる場合には医師に相談しましょう。
 
How should I use glatiramer?
Glatiramerはどのように使用すべきか?
 
Follow all directions on your prescription label. Do not use this medicine in larger or smaller amounts or for longer than recommended.
処方ラベルの指示に従ってください。推奨用量以外での量で同薬剤を使用しないでください。
 
Glatiramer is injected under the skin. You may be shown how to use injections at home. Do not self-inject this medicine if you do not understand how to give the injection and properly dispose of used needles and syringes.
Glatiramerは皮下注射用の薬剤です。家庭での駐車方法に関して医師から指示を受けるでしょう。注射方法や使用済みの針とシリンジの適切な廃棄法を理解していない場合には、この医薬品を自己投与しないでください。
 
This medicine comes with patient instructions for safe and effective use. Follow these directions carefully. Ask your doctor or pharmacist if you have any questions.
この医薬品には、安全かつ有効な使用に関する患者用の投薬説明書が付いてきます。これらの説明書の内容に必ず従ってください。わからないところがあれば医師や薬剤師に相談してください。
 
Wash and dry your hands before preparing the syringe and giving the injection.
シリンジの準備と注射前に両手を洗浄して乾燥させてください。
 
Use a different place on your body each time you give yourself an injection. Your doctor will show you the places on your body where you can safely inject the medication. Do not inject glatiramer into the same place two times within 1 week.
毎回違う部位に注射してください。安全に注射できる部位を医師が示します。1週間以内に同じ部位に2回注射しないでください。
 
Glatiramer prefilled syringes are for a single use only. Throw away the vials or syringes after each injection.
Glatiramer充填済みシリンジは使い捨てタイプです。注射後はバイアルとシリンジを必ず捨ててください。
 
Store the prefilled syringes and vials (bottles) of glatiramer in the refrigerator. Do not allow the medicine to freeze.
Glatiramer充填済みのシリンジとバイアル(小瓶)を冷蔵庫に保管します。凍らせないように注意してください。
 
Before using the prefilled syringe, take it out of the refrigerator and let it warm at room temperature for 20 minutes. Do not warm the medication in a microwave or hot water. Do not remove air bubbles from the prefilled syringe or you may accidentally remove a small amount of the medicine.
充填済みシリンジを使用する前に、冷蔵庫から取り出して室温で20分間温めます。電子レンジや熱湯で温めないようにしてください。充填済みシリンジから 気泡を取り除いたり、誤って薬剤の少量を取り除いたりしないでください。
 
You may also store glatiramer at room temperature, away from moisture, light, and high heat.Glatiramer will keep for up to 30 days if stored at room temperature. Throw away any unused glatiramer that has been at room temperature for longer than 30 days.
室温で保管する際には、湿度の高いところや、直射日光、高温を避けるようにします。室温で保管する際は30日が限度となります。室温で30日を超えた場合には未使用でも廃棄してください。
 
Do not use glatiramer if it has changed colors or has particles in it. Call your pharmacist for new medication.
変色や粒子を呈するglatiramerは使用しないください。薬剤師から新しいものを受け取ってください。
 

日本語の特許文献が機械翻訳サービスの対象に

欧州特許庁( European Patent Office )の特許検索エンジン『Espacenet』のユーザーなら『EPO Translate』をもう知っているかもしれませんね。これは英語とフランス語、およびドイツ語間における文書の機械翻訳を手供するものです。EPOはサービス範囲を広げるために翻訳対象言語として日本語を追加し、英語と日本語間における翻訳サービスの開始を発表しました。
 総数が300万に及ぶ日本語の特許文献( patent document)の約半分が、すでに Espacenetデータベースにロードされており、英文で読めるようになっています。残りの文献も近いうちに追加される予定です。  Espacenet を用いた場合、今までは要約のみが英語で利用可能だったので、今回の進展は非常に重要です。機械翻訳サービスの範囲を日本語にまで拡大したことにより、日本語の特許文献の検索や調査がとっても楽になります。もちろん、人間の手による翻訳も依然として必要ですが、関連文献の特定したり、コストを抑えたりするではこのサービスが非常に有用です。
 EPO Translateサービスは現在、英語と他の15言語(中国語、デンマーク語、オランダ語フィンランド語、フランス語、ドイツ語、ギリシャ語、ハンガリー語、イタリア語、ノルウェー語、ポーランド語、日本語、ポルトガル語スペイン語スウェーデン語)間の機械翻訳を提供しています。
 

Cerena TMS : 片頭痛を緩和する初の医療機器

FDAは本日、片頭痛(migraine headache)の痛みを緩和する初の医療機器『Cerena Transcranial Magnetic Stimulator (TMS)』の販売を許可しました。
Cerena TMSは、前兆(aura)のある片頭痛に関連した疼痛発生後に用いる処方デバイス(prescription device)です。使用者が後頭部に同装置を両手であてながらボタンを押すと、磁気エネルギー(magnetic energy)のパルスが放出され、脳の後頭皮質(occipital cortex)が刺激されます。これにより、片頭痛関連の痛みが止んだり軽減したりする可能性があります。
FDAは、既存製品とは異なる軽度から中等度のリスクを伴う医療機器を対象とした市販前プロセスを通して、Cerena TMSのデータを審査しました。
中等度から重度の片頭痛を呈し、片頭痛前に30%以上の確率で前兆を呈する201名を被験者とする無作為対照臨床試験結果をもとに、前兆を伴う片頭痛関連疼痛の急性治療(acute treatment)における Cerena TMS使用の許否を判断するため、疼痛発生時に治療を受けたことのある113名を対象に分析を行いました。
その結果、片頭痛発生時にCerena TMSを使用した被験者の約38%は、同機器使用から2時間後に痛みから解放されたことがわかりました(対照群では約17%)。24時間後には、Cerena TMS使用者の約34%で痛みがなくなりました(対照群では10%)。
Cerena TMSが光や音への過敏症、吐き気などの片頭痛関連症状の緩和に有効であるかどうかは明らかになりませんでした。同機器の使用対象年齢は18歳以上です。前兆を伴う片頭痛以外の頭痛治療における同機器の性能は評価されていません。
試験中に確認された有害事象は、同機器使用群および対照群の両方でほんのわずかでしたが、副鼻腔炎(sinusitis)、失語症(aphasia;言葉を理解したり話したりすることができない状態)、目まい(vertigo)が報告されています。目まいは同機器の使用に関連している可能性があります。
Cerena TMSはカリフォルニアの eNeura Therapeutics of Sunnyvaleにより製造販売されます。
これに似た機器は詐欺まがいの商法で日本でも売られていますが、FDAのお墨付きを得たCerena TMSは本当に効果のあるものとして考えていいでしょう。
片頭痛は、頭部の特定領域における激しい脈動(intense pulsing)やズキズキする痛み(throbbing pain)を特徴とし、吐き気や嘔吐、光や音に対する過敏症も生じさせます。片頭痛は治療せずに放っておくと4~72時間持続します。消耗性頭痛(debilitating headache)は世界人口の約10%に影響を及ぼし、男性よりも女性で3倍多く発症しています。片頭痛を呈する3人に1人が前兆(aura)を経験します。
「この最新の医療機器は特定の患者にとって新たな治療選択肢となります」と、FDA医療機器・放射線保健センター(Center for Devices and Radiological Health)のChristy Foremanは述べています。
 

TextMasterとTransifexの提携

プロによる翻訳と校正(proofreading )、および文案作成のサービスで大きな実績を持つTextMaster社と、ウエブサイトとアプリ、およびデジタルコンテンツの翻訳を管理するクラウドベースのローカライゼーション基盤技術の開発業者Transifex社が提携しました。今回の統合により、ソフトウエア開発者とプロダクト管理者が同じ職場でプロダクトのローカライゼーションを管理できるようになるため、ワークフローが効率化することになります。
アプリが成功するかどうかは翻訳によって大きく左右されます。言語を追加することによりダウンロード回数が128%増加し、収益が26%上がります。
Transifexのユーザーは10月23日からフランス語、スペイン語、イタリア語、オランダ語ポーランド語、ロシア語、中国語、および英語の翻訳を依頼できるようになり、ニーズに基づいて難易度を選べるようになりました。依頼内容はTextMasterの翻訳者に送られ、その後にTransifexに自動的に送信されます、これにより、ユーザーは短時間で翻訳者を探し出すことができます。さらにユーザーが翻訳者と直接連絡を取れることから、質問への返答や訂正が容易になります。
「今回の提携により、顧客に対して高品質のサービスを迅速かつ容易に提供できるようになります。」とTextMasterのCEOであるThibault Lougnonは話します。「TextMasterは常にユーザーの経験をビジネスの前面に押し出していることから、今後はワークフローにプロの翻訳を組み込むことがさらに簡単になるでしょう」
プロの翻訳者に直接アクセスできることから、ソフトウエア開発者とプロダクト管理者は国際的なユーザーベースを簡単に大きくできるようになります。
Transifexについて
同社はソフトウエアと技術会社向けクラウドベース・ローカライゼーションのプラットフォームです。製品開発プロセスに翻訳とローカライゼーションを組み込むことにより、Transifexはウエブサイトや携帯用アプリ、電子コンテンツなどの翻訳管理や現地語化ワークフローの自動化をサポートします。Atlassian,、Waze, Disqus, Eventbrite, Courseraなどの企業や組織は、世界市場に効率的に進出し、新しい製品を販売する上でTransifexのサポートを受けています。2009年設立の同社は、メンロパーク(Menlo Park)に本部を置いています。
TextMasterについて
同社はプロの翻訳、校正、文書作成サービスを提供しています。6万人以上の翻訳者が登録しており、4千以上の顧客のさまざまな事業で活躍しています。24時間受付対応しており、WordpressMicrosoft Officeなどの依頼者が好む形式で高品質の訳文を提供します。取り扱っている言語数は50以上です。
 

昆虫を食べると健康に良く、肥満に効果的

昆虫を噛み砕くことを想像してみください。気持ち悪いですね~。しかし、昆虫には多くの栄養が豊富に含まれており、健康に良いということが世界中で知られています。
国連のFAO(食糧農業機関)の報告によれば、世界中で約20億人が伝統的な食事として虫を食べています。これは食虫性entomophagy として知られています。
甲虫Beetlesが最も多く消費される昆虫であり、その他はイモ虫、蜂、蟻、バッタ、コオロギなどです。全部で1900種の虫が食用になると考えられています。
食虫性は中国やアフリカ、アジア、オーストラリア、ニュージーランド、南米など、多くの地域で一般的となっています。
しかし、アメリカ人の72%は虫を食べることに否定的です。
FAOの報告によれば、西欧諸国の多くは食虫を原始的な行為と見なしています。
昆虫は栄養価が高いと考えられています。その多くはタンパク質や健康に良い脂質、鉄、カルシウムが豊富であり、炭水化物の含有量が少ないです。Insects are considered highly nutritional; the majority of them are rich in protein, healthy fats, iron, and calcium, and low in carbohydrates.
事実、FAO報告書の作成者は、昆虫には牛肉と同じ程度の栄養があると主張しています。
たとえば、コオロギ100gは約121カロリーであり、タンパク質12.9g、脂肪5.5g、炭水化物5.1 gが含まれています。牛肉100gには23.5gのタンパク質が含まれていますが、脂肪も多く、21.2g含まれます。
昆虫の脂肪含有量が少ないことから、肥満やそれに関連する病気に対して食虫が有効であるという考えが広まっています。
 

麻酔薬投与の自動装置

サイエンスフィクションっぽく聞こえるかもしれませんが、昏睡状態の患者の脳活動をモニターするだけでなく、薬剤を自動的に調整および投与して適切な状態を保つコンピューターシステムが、MITによって開発されました。
外傷性脳損傷( traumatic brain injury)を負った患者に対しては、腫れを抑えたり、脳に回復時間を与えたりするために、薬剤を用いて昏睡状態に誘導するのが一般的です。
この昏睡状態は数日間持続するため、適切な鎮静状態(sedation)を保つために看護士が注意深くモニターする必要があります。
Massachusetts General Hospital (MGH) の麻酔専門医(anesthesiologist)Emery Brownは次のように説明します。
「脳を一定状態に保つためには誰かが定期的に戻ってきて患者をチェックしなければなりません。そこでコンピューターに任せたらどう? というアイデアが生まれたのです」
研究員はラットを用いて実験を行い、今はヒト臨床試験を計画しています。彼らが言うには、『PLOS Computational Biology』に掲載された論文は、てんかん発作(epileptic seizures)を患う人々にとっても大きな意味を持つとのこと。
ブラウン医師らがさまざまな活動状態を示す脳波パターンを分析したところ、覚醒、睡眠、昏睡などの各状態はそれぞれ独自の脳波図( electroencephalogram )を示すことがわかりました。
医学的に引き起こされた昏睡状態において、患者の脳は一時的に数秒間静かであるものの、そのあと急激に活発化します。『burst suppression』として知られるこのパターンにより、脳は重要なエネルギーを節約することができます。医師らはburstの回数を(EEGスクリーンで見られるように)制御し、パターンを数時間または数日間保つことを試みました。
ブラウンらのチームはコンピューター、EEGシステム、薬剤注入ポンプ、制御アルゴリズムを用いて、脳と(認識、感覚、運動機能をサポートする)外部装置間のコミュニケーション経路『脳-機械インターフェース』の確立に乗り出しました。
サイエンスフィクション的な方法で制御アルゴリズムEEGシグナルを処理し、脳内の麻酔活性を計測して秒単位で投与量を調節します。同プログラムは(医療スタッフには不可能な正確性で)昏睡レベルを即座に高めることができます。
この研究に参加していないハーバード大学医学部のSydney Cash は次のように述べています。
「医療において我々が行うことのほとんどは、患者にとって何がベストかを推測することです。今回のアプローチ法では医師や看護師の推測を必要とせず、投与判断をコンピューターに任せることができます。」